富士チタン工業株式会社

私たちは小さな粒で「大きな夢」をかなえています。

Q&A

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当社は酸化チタン、チタン酸バリウムを製造・販売する化学メーカーです。
しかし、どちらの製品も、皆さんには馴染がないモノでしょう。そこで、Q&A形式にて当社の扱う製品を解説いたします。
このQ&A以外にも酸化チタン工業会ホームページもご活用ください。

Q1

酸化チタンってどのようなモノなのですか?

酸化チタンはTiO2を主成分とする白色顔料の総称です。
酸化チタンは、他の白色顔料に比べ、着色力・隠ぺい力が他の白色顔料よりずば抜けて大きいこと、毒性が全くない上に非常に安定であることが挙げられます。
また、化学的、物理的、光学的、電気的に優秀な特質をもつため、その応用分野も広いのが特徴です。
Q2

酸化チタンってどんな形をしているの?

「チタン」と聞くと、ゴルフクラブや眼鏡のフレームといった金属チタンを想像される方が多いと思いますが、当社が扱う酸化チタンは金属ではなく「白い粉末」です。
Q3

どのようなところで酸化チタンが使われているのですか?

酸化チタンは塗料、インキ、プラスチック、紙、化学繊維、化粧品などに用いられています。
当社の酸化チタンはその品質上、主に化学繊維に使用されています。
Q4

酸化チタンの原料って何?

当社では「イルメナイト鉱石」というものから酸化チタンを製造しています。鉱石と言っても「真っ黒い砂」ここからさまざまな工程を経て真っ白な粉末ができるのです。
Q5

いったいどのような方法で酸化チタンができるの?

【酸化チタン工程図】

当社は、神戸工場にて主に硫酸法によるアナタース型の酸化チタンを生産しています。硫酸法プロセスは、次のとおりです。

1. 乾燥、粉砕工程

乾燥、粉砕してイルメナイト鉱石を40μm以下にします。

2. 溶解・静置・冷却分離工程

微粒化したイルメナイト鉱石を濃硫酸と混合し、蒸気等で加熱して反応させ、硫酸チタニールと硫酸鉄の混合した原液が生成されます。鉄粉やくず鉄を加えたのち、原液を静置・冷却することにより硫酸第一鉄(7水塩)を結晶化・晶出させます。
FeTiO3 + 2H2SO4 → FeSO4 + TiOSO4 +2H2O

3. 加水分解工程

この工程では硫酸チタニールを加水分解することにより、不溶性の水酸化チタンが析出します。この段階で酸化チタンの粒子形状・サイズがほぼ決定するため、非常に重要な工程と言えます。
TiOSO4 +2H2O → TiO(OH)2 + H2SO4

4. ろ過、水洗工程

加水分解工程で沈殿した水酸化チタンを濾過・水洗します。これにより製品の色に影響を及ぼす鉄・マンガンなどの不純物を除去します。
なお、硫酸を含む廃液は再利用とともに、中和して石膏として製品化します。

5. 焼成工程

水洗の終わった水酸化チタンは白色ケーキ状となり、ロータリーキルンに移して900~1000℃で焼成し、水分を飛ばし、酸化チタンとします。
TiO(OH)2 → TiO2 + H2O

6. 仕上工程

焼成した酸化チタンを粉砕し、微粒化したものが一次製品で当社ではTA100として販売しています。
さらに水に酸化チタンを分散させ、粗粒子を分離・乾燥させたもの(TA200、TA300)や使用目的別に表面処理(コーティング)を行ったもの(TA500)を二次製品としてユーザー各社へ提供しております。

Q1

チタン酸バリウムってどのようなモノなのですか?

一言で表現すると「セラミックス」です。
チタン酸バリウムは、セラミックスの持つ電気的性質に着目し、それを最大限に発揮するために高純度の原料を集めて製造加工された製品となります。
Q2

チタン酸バリウムが有する電気的特性っていったい何?

電気を通さない「高絶縁性」、電気エネルギーと運動エネルギーとの互換ができる「圧電性」、より多くの電気エネルギーを蓄える「誘電性」のほか、「焦電性」「半導性」「蛍光性」などがあります。
Q3

チタン酸バリウムってどんな形をしているの?

「セラミックス」と聞くと、陶磁器やガラス等を連想される方が多いと思いますが、当社が扱うチタンバリウムは「白い微粉末」です。
Q4

どのようなところでチタン酸バリウムが使われているのですか?

当社が提供するチタン酸バリウムは、主に積層セラミックコンデンサの材料として、提供されています。
【セラミックスコンデンサへの加工】

「チタン酸バリウム」は超微粒の粉体にもかかわらず、セラミックス化したときに優れた電気特性を持っております。当社で生産した「チタン酸バリウム」はコンデンサの材料として供給され、最終的にパソコンやスマートフォン等に搭載されます。

Q5

いったいどのような方法でチタン酸バリウムができるの?

当社の主力製品であるHPBT-1シリーズは蓚酸法により製造されています。
【蓚酸法 チタン酸バリウム工程図】
1. 合成工程

ⅰ)塩化バリウム溶液と四塩化チタン水溶液を加え、バリウム源、チタン源の混合溶液を調製。
ⅱ)蓚酸を溶解した水溶液を調製。
ⅰ)とⅱ)を反応させることにより蓚酸バリウムチタニルを合成させる工程です。
BaCl2 + TiCl4 + H2C2O4 → BaTiO(C2O4)2・4H2O

2. 仮焼工程

蓚酸バリウムチタニルを仮焼して蓚酸を熱分解させ、チタン酸バリウムを生成させる工程です。
四角の箱に材料を入れ、電気炉にて仮焼します。

3. 粉砕工程

仮焼工程で生成されたチタン酸バリウムを微粉化させる工程です。チタン酸バリウム粉体原料として製品化されます。
用途に応じてざまざまな粉砕機を用います。

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